息子にASDの診断がでて納得した経緯と、心境3~小児発達外来受診

小児外来への予約は、年中の春に行った。

年少からの約1年間の療育が過ぎたけど、「結局息子はどうなの?」ていう漠然とした不安はぬぐえない。もちろん息子なりに絶対に成長はしているんだけど、じゃあ今の状態は?となると宙ぶらりん。

ネットで見ていると、とにかく受診や診断までは時間がかかるらしいし、小学校にむけて準備もしたいし、それなら年長まで待たずに年中から動いておくほうがいいのでは!って、勢いがついた。

でも、どこで受診できるのか、またよくわからない。

喘息でのかかりつけ医の総合病院は「小児科医と心理士での発達相談」は受け付けているけど、「発達相談」であって、「専門医ではないので、発達検査はできないし、発達障害などの診断もしていない」だし、じゃあ専門医のいる通える範囲の発達外来は、コロナの影響もあり紹介状のない初診受付はしていないし、通える範囲といっても市内に一軒、車で40分の隣市に一軒のみ。

目的が「発達検査」と「医師の診断」なら、最初に「発達検査はするけど、医師じゃないから診断できない」と言った市の療育先で聞けばいいのでは?って思い出して、療育先へ言い出してみたところ、そこから市の心理士へ連絡が行き、市内の専門医受診の紹介を受けれた!

それ療育に通いだしたときにつなげておいてくれたらよかったんじゃ…とも思ったけど、こちらから求めないと案内してもらえないのが役所仕事。きっとそういう「聞かれていないことは言わない」マニュアルなんだと思って気持ちを静める。

この時は6月で、受診予約は1月。半年待ちで驚いたけど、同時に「いま言い出しておいて良かった」とも思った。これでもタイミングよく隙間に予約ができたほうのようで、指定の日以降は2月後半だった。

予約さえしてしまえば、もうできることはないので、半年間は病院に関してはただ順番を待つだけの日々。

いよいよ受診、そしてASDの診断

年中の冬のいま、まだまだ気持ちの切り替えの難しさや、扱いにくいことも多く、年中になり周囲のお友達とのトラブルも増えてきた。これまで一人で怒って泣いて暴れていただけだったのが、反射的に物を投げたり壊したりと激しくもなった。

爆発する回数は減っているけど、爆発したときの急上昇がものすごいというか。

専門医の初診時は、これまでの市での発達検査結果と、経緯などを簡単にリスト化した表を持っていったけど、ほとんど不要だった。

検査結果は事前に市から病院に大まかな経緯とともに、紹介状とともに報告されていて、初診当日はそこにない情報を医師がヒアリングしてくれていた。

息子へも簡単な質問形式のヒアリングなどもしていたけど、「発達検査」を行えるのは、また5月&検査結果説明は6月に再予約。先生自体の予約枠がまったく空いていなくて、最短で半年待ちなのがすごい。初診だから待つってことではなく、単純に時間枠が空いていない。

現在療育を受けれているうえで、今回の受診のきっかけはと聞かれたので「息子のことを知りたい、発達障害があると思っているけど本当に障害があるのか、それに対してどうすればいいのかを教えてほしい」「今後も私の会社から配慮をうけるため(出張や転勤の制限)に、私の意見だけでなく、医師の診断などの報告が必要」「小学校への進学時の困りごとを減らしたい」と、相談。

医師は、それはどれも大事なこと、と肯定してくれたうえで「今日の診断の報告は、軽度ではあるけど「ASD(自閉スペクトグラム症)」の診断です」とのこと。

先生は一冊の本を取り出し、目次をみせてくれたけど、これが見事に息子のインデックス。

気に入らないことがあると大騒ぎ、マイペースすぎる、楽しいはずの行動が楽しめない、気持ちの切り替えができない、会話がとんちんかん…

息子のことが書いてある…程度の上下はあるかもやけど、全部息子で簡単に想像できる。

ストンと、腑に落ちた。専門の人に宣言してもらうだけで、これまでのモヤモヤが晴れた。

ひとつ不思議に思ったのが「ADHDじゃないの?」って疑問。ソワソワ感とか感情の暴走とか、どちらかというとそんなイメージだったけど、先生曰く、小学校での生活が始まってから、あらためてその診断をすることがあるかもしれないけど、少なくとも今の息子にはASDの特性のほうが強く、ASDの特性にも似たようなものがあり、それが多めに目についている状態だそう。

「今の特性は」の診断、というところも、納得。

発達障害は病気ではなく障害なので、消えてなくなることはないけど、特性が多く目立って困っている場合と、目立たずに困らない場合もある。でも息子が今困っているなら、その障害としての診断ができるってこと。

参照していた書籍はこれ

先生は、障害名などはできるだけ言葉に出さず、本の単語や説明を指で示していた。

それは、言葉で聞く衝撃を緩和するためかもしれないし、聞き流してしまわないように視覚でもうったえるためかもしれない。側で遊ぶ息子に配慮したのかもしれない。

理由はわからないけど、意図しているなとは伝わったので、何か意味があるんだと思う。

このシリーズの本を手にとって、「この場合は」などと説明してくれていたけど、これが流し見でもわかりやすくて、帰宅してからすぐに購入した。

内容は、それぞれの障害児が小学校などで困るだろうことをなぞっていて、周囲の子が「どうしてこうなのか」を不思議がっている様子の解説つき。

親が子供に対して「どうして」と思うことや、「将来こんな風に困っちゃうんだな」ってわかりやすかったです。それに対する対処法などは、療育Lでのペアトレでも同様の対処を習っていたので、そのあたりの情報に目新しさがなかったけど、まったく何も情報がないなら、この一冊は持っていてもいいと思う。

診断がでたら「特別児童扶養手当」や「障害者福祉手帳」の申請につながる

ネットでの情報では、診断までも時間がかかるような印象だったし「経緯を見ないと」みたいな流れになるんだろう予想をしていたので、即日診断されたのにも驚いたし、拍子抜けした。

お母さんの会社へはその報告で大丈夫ですよと、話をしてくれた後に「診断を出すので、手当の申請をしましょう」とのこと。市役所で所定の申請用紙と診断記入用紙をもらってくれば、今日以降いつでも書くので、申請すれば手当がもらえます、だそう。

手当申請は更新が必要で、デメリットとしては、更新がめんどくさいことと、診断書への記入に手数料がかかること。でもこれは、あとでわかったけど月額数万円が支給されるので…それほどデメリットに感じない。

言ってもらえないと手当の申請は頭にもなかったので、助かりました。

手帳の申請も同様にできるけど、これに対するデメリットは、やっぱり世間(学校など)での差別的な扱いを受けてしまうことがあるかもしれないってこと。

でも学校への配慮も求めやすくなるし、受け取り方は人それぞれってことでした。

療育手帳や福祉手帳は、検索やインスタなどでも見聞きしていたので知っていて、それと手当とはリンクしているのかと思っていたら、役所管轄が別なので別申請。

手帳の種類の違いも知らなかったけど、知的障害があるかないかの差だと教えてもらった。知的障害の有無は「発達検査」の数値結果で決まり、逆に発達検査では発達障害はわからないので、いま申請できる手帳は福祉手帳のほうで、発達検査の結果次第では療育手帳も申請ができるけど、これは本当に結果次第。

発達検査の予約と結果は半年後

今後の予定は、まずは発達検査・その結果説明と診察・検査結果を受けて、小学校への配慮や説明などの入学準備へと進む。

去年の発達検査結果をみると、IQ70代で、障害はないけど境界にいたのかもしれないけど、診察日の息子の様子はその数値とは思えなかったし、実際に「この半年・1年でできるようになったこと」がとても多いから、ASD児によくある「成長のムラ」だったのかもしれないとのこと。

実際に発達検査を行っても、ASD児は検査時の環境やストレスややる気なんかにとても影響されるから、正確にわかりにくいので、参考程度なんだそう。

ただ、手帳申請にも検査結果の報告が必要で、「たまたまよくできた時」の数値によっては、手帳交付されないこともあるそうです。このあたりは、老人の要介護認定審査でもきいたことあるような流れだ…

手帳の有無は、正直どちらでもいいなと思っていて、手帳があれば受けられる援助や配慮が多いことも事実だけど、交付されないならそれは息子は軽度だからってことなんだろう。

そのあたりは損得ではなくて、客観的な判断を受け入れるしかないと思っているので、希望はするけど、その判断はお任せするかな。