赤ちゃんって、特に新生児期なんて、起こしても寝て起きないくらい勝手に寝ているものだと思っていました。
なのに、いざ育児が始まってみたら、まあ寝ない。
寝かしつけてもなかなか寝ずに1時間以上は癇癪のように寝ぐずり疲れて眠り、30分ほどでまた復活してきます。
いわゆる「疳の虫が強い」タイプの泣き方というやつなんでしょうか。
首も座ってないのに頭を振り、背中を反り、腕を振り挙げ、足を蹴り上げて、何かに怒るように泣き叫ぶ。
力いっぱい拳を握りしめ、硬い棒のようになって全身で泣き続ける子を相手に、私の気力ゲージはどんどん削がれ続けます。
おまけに乳吐きもひどく、ゲップの有無に関わらず1日中ちょっとづつ鼻から口から吐き戻すので、気管を詰まらせるんじゃないかと心配で全く目が離せない。
私もつらいけど、子供本人もつらそうです。
初めての育児は3週間ほどで簡単に挫けました。
保険センターや病院へ何度電話相談しても「寝ないのも泣くのも吐くのも個人差、感覚と体の成長を待つしかない。育児書やネット情報はあくまでも平均値だから気にしないで。つらくなったら周囲に頼りましょう」としか言われず根本的に解決にはならない。
そして「おかあさんの気持ちがつらくなったら、またいつでも電話して」と定型文で切られる繰り返し。
周囲の経験者に相談してみても「そういう子もいるよね、そのうち眠るようになるよ」といった返答が多かったので、おそらく本当に時間や成長が解決するのかもしれない。
でも、「そのうち」じゃなくて、「いま」どうにかできないのか!
「いつかおわる」のは「いつ」なのか!
日中も夜中もギャンギャン泣き叫ぶ子を眺めながら、自身の気持ちが追い込まれているのを感じていました。
そんななか、ふと記憶の片隅にあったCMを思い出して検索してみます。
関西ではお馴染みのCMソングで有名な小児薬「樋屋奇応丸」です。
「あかちゃん夜鳴きで困ったな」のアレです。
関東では「宇津救命丸」がこれと同じような薬のようですが、私はこちらは全く知りませんでした。販売地域というよりもCM放送地域の差のような気がしますね。
樋屋奇応丸は小児用の漢方薬で、自律神経を整えることで夜鳴きや癇癪を穏やかにし、胃腸機能も補助する効果のある生薬です。
小児用生薬とはいえ薬だし、新生児に服用させてもいいのか不安もあったので、樋屋製薬へ電話して、生後3週間なら服用しても良いの回答だったので安心しました。
早速ドラッグストアへ購入し、1日2~3回を飲ませ始めたところ、効果は3日ほどで現れました。
力いっぱい癇癪を起しているような寝ぐずりは時間が短くなりました。
寝ぐずりそのものはあるんですが、5~15分ほど我慢強くあやし続けていれば治まりだすようになり、泣き入りひきつけを起こしそうなほど泣き怒っているような状態ではなくなりました。
その後、現在はもうすぐ生後3か月になるところですが、変わらず服用は続けています。
子自身の成長も手伝い、寝ぐずりや乳吐きは少しづつ治まっています。
日中は相変わらず起きていますが、機嫌よくしている時間も少し増え、夜は数日に1度は0時~6時の間ずっと寝ているなんて日もでてきました。
深夜や早朝の授乳後には、特にぐずぐずすることもなく、すんなりと眠るようにもなってきているのも嬉しい成長。
子供とは親の思う通りにならないもの、泣いて手がかかるものなんて言われますが、わかっていても怒ったように泣き叫ぶ子を前にすると、つらくてしんどくて仕方ない。
「考えすぎないで」なんて言われても、「どうにかしたい」と思い悩んでしまうもの。
今でもまだ悩みの種ではありますが、「奇応丸を飲ませているから」といったおまじない効果も手伝い、気持ちは少し楽になっています。
私も子も、毎日機嫌よく元気に過ごしたいですね。
ちなみに、私が飲ませているのは「糖衣」タイプのものです。
購入時に薬剤師に相談すると、指で直接舌の上に乗せてから授乳で流し込む飲ませ方をするので、甘い味のするほうが負担が少ないのではないかとのことでした。
「金粒」や「銀粒」よりは少し大きい粒ですが、それでも十分小さく、新生児でも飲めるサイズです。
親に聞けば、私も樋屋奇応丸を飲まされていたようです。
青筋が浮くほどの疳の虫の強い子だったらしい私は、昔時代に拝み屋のようなことをしていた曾祖母に拝んでもらい、指から疳の虫を抜いたと言われましたよ。
そんな話は初めて効いたので驚きました。
曾祖母がモニョモニョと私の手のひらをさすると、白い虫がしゅるしゅる出てきたそうです。
真意はともかく検索してみると、同じような話や経験がたくさんあがっていたのが興味深いですね。
よくよく考えてみれば、私自身、自律神経が弱く睡眠が下手な胃弱タイプなので、子の寝ぐずりは私に似たのかもしれませんね。
言われてから、そういえば子供のころは布団に入ってからの「睡眠に入るふわふわ時間」嫌いだったことを思い出しました。
すうっと意識が暗闇に遠のいて眠っていく感覚を恐ろしく思っていたんです。
もしかして、今私の子も同じような感覚でいるのかもしれないですね。