私が出産した産院は、出産費用の予算は50~60万円。そのうち保証金は出産予約時に10万円。
大阪の個人病院としては平均的かと思うのですが、そこそこ高額な出費です。
そして「直接支払制度を使用しない場合は、出産費用を2万円割引」とのことなので、もちろん利用せず現金支払いを選択したい。
しかし、出産費用以外にも何かと出費の多いこの時期…できれば現金残高を減らさずにおきたいと思い「出産育児一時金の出産費貸付金制度」と「限度額適用認定証」を申込みました。
健康保険協会から産院へ直接支払を行う「直接支払制度」を申請すれば、自身で支払う金額はその差額のみで済みますが、利用しない場合は産院へ支払う出産費用を自身が全額立替支払いしないといけません。
その場合や、産院から事前に出産費用の請求があり支払いが難しい場合に利用できるのが、この「出産費貸付金制度」です。
申請すると「出産育児一時金」の42万円のうち8割(33万円)までの現金を出産前に受け取れます。
つまり「出産前に現金が必要な人には、出産一時金の一部金額を無利子で貸し付けますよ」という、ありがたい制度なんです。
出産費貸付金の対象者
利用可能な対象者は、以下の1か2にあてはまるかたです。
また、当たり前ですが「出産育児一時金の直接支払制度」を利用する場合は、出産費用貸付金を受けることができません。
これは出産育児一時金を重複して受け取らないように何度も確認されますし、産院にも確認の電話が入ります。
- 出産予定日まで1か月以内の方
- 妊娠4か月(85日)以上の方で、病院・産院等に一時的な支払を要する方
つまり社会保険に加入していて、臨月に入っているか、妊娠4か月以上で病院から支払い請求をされているかたなら申込可能です。
出産費貸付金の申込時に必要なもの
出産費貸付金の申込にあたって準備するものは、以下です。
申込は、健康保険協会へ訪れるか郵送での申し込みになります。
所定用紙は協会けんぽ各支部のウェブサイトから自由にPDFをダウンロードできますし、健康保険協会の窓口でも受け取れます。
- 母子手帳(母の氏名および出産予定日の確認できるページ)のコピー
- 病院発行の出産費用の請求書類(臨月までのかた)
- 健康保険協会所定の用紙3種
(出産費貸付金貸付申込書、出産費貸付金借用書、健康保険出産育児一時金支給申請書(貸付用)) - *健康保険被保険者証(記入時に確認のみ)
- *振込用の銀行口座(記入時に確認のみ)
- *署名押印用の印鑑(銀行印でなくてもよい)
母子手帳は、出産予定日を記載したページをコピーして添付するか、母子手帳を持参しましょう。
病院への事前支払金のために申込たいかたは、病院発行の請求書類も必要です。
所定の用紙は、自身でダウンロードして記載するか窓口で受け取り記載します。窓口で記載する場合は、銀行口座のわかるものや印鑑の持参を忘れないようにしましょう。
「*マーク」のついている4~6は、確認・記載するのに必要なものです。
出産費貸付金の申し込み
WEBで3種の書類をダウンロードして記載していきます。
記入例もありますので、保険証などをみながら簡単に記入できるようになっています。
借用書へ記載する金額が、実際に先払いしてもらえる金額になります。42万円の8割までなので、33万円までの希望金額を記入しましょう。
「健康保険出産育児一時金支給申請書」には、産後に病院で記入する出産証明の箇所がありますが、その箇所は産後に書いてもらうので今は空白で大丈夫です。
他の箇所の自身の氏名など、自分で書ける箇所を書いて提出します。
提出方法は、郵送か窓口持参かで受け付けてもらえます。
私は自宅で書類を記入準備したうえで持参しましたが、窓口へ行けば書類一式を出してもらえるので、必要事項を確認しながら記入してもよいと思います。
出産費貸付金の振込通知書と現金振り込み
4月11日に書類提出し窓口受理され、翌週19日に上記の振込通知一式が到着、同日に指定の口座に振り込まれました。週末を含め8日後です。
もっと日数がかかるかと思っていましたので、わりと早めに振り込まれて拍子抜けでした。
受理翌日に窓口担当者とは異なる人から電話がかかってきて「これから産院に、直接支払制度を使用しない旨の確認と、貸付金制度手続きがあったことを報告してもよいですか?」とのこと。
申請時に窓口でも確認されていましたが、そんなに何度も確認されるとちょっと驚きます。
断る理由もないので承諾しましたが、これ、断ったらどうなるのでしょう…
ちなみに、貸付金制度の利用にあたって、私から産院へ特別な手続きすることはなにもないようです。
今後、産院を変更する場合は、かならず健康保険協会への報告が必要となり、その都度また健康保険協会から産院へ確認の電話等があるようです。
出産費貸付金の産後手続きについての書類
同封の書類には「健康保険出産育児一時金支給申請書(貸付用)」が返送されています。
これは申請時に提出したものが返却されていますので、病院で記入する箇所の空白部分を産後に記入してもらいましょう。
また、現金支払い時に領収証を受け取ると思いますので、提出用にその領収証のコピーを取っておくとよいです。
ここまでの流れで産前に出産一時金の一部を受け取れました!
扱いとしては「貸付金」となり、産後に受け取る予定の出産一時金から最大33万円を無利子で借りるというかたちになっています。
返済には出産一時金があてがわれるので、産後は出産一時金から貸付金額を引いた金額が再度振り込まれます。
今回、私は33万円を受け取りましたので、産後には42万円ひく33万円の9万円の出産一時金を再度受け取る予定です。
用紙への記載や提出などの手間はありますが、特別難しい手続きがあるわけでもありませんでした。
窓口での提出時や、病院での支払い時にも特別怪訝な対応をされることもなかったので、出産にあたり手持ちの現金や支払いに不安のあるかたは、積極的に利用しても良い制度なんじゃないかと思いますよ。
全国健康保険協会 協会けんぽ 大阪支部
出産費貸付制度について
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/osaka/cat080/kashitsuke/kasitukesyussan
出産費貸付金制度の産後の手続きと、出産一時金の残金精算については別記事にしました。
出産一時金は一部先払い可能!出産費貸付金制度 その2~産後の再申請と限度額適用認定証
この記事は私がH29年に制度利用した際のメモです。
(「全国健康保険協会 協会けんぽ 大阪支部」で、「出産予定日まで1か月以内の申し込み」)
制度の詳細や利用の流れなどは、年度や健康保険協会や支部により異なるかもしれませんので、詳細はご自身所属の健康保険協会へお問い合わせください。