犬の仏壇スペースを設けたら、少し気持ちが落ち着いたよっておはなし

ペットの仏壇て、と、正直なところ、私も思っていました。
でも、実際に自分が愛犬を亡くしてみると、ただ素直に手を合わせる場所が欲しくなるんですよね。驚きました。
そこは、弔う場所であり、偲ぶ場所であり、その思い出に癒される場所なんだと思います。

愛犬とみ仏さまとお仏壇と

もともと家にある仏壇とは別に、涅槃増の写真と仏具は持っていました。
私が家を出る際に父が持たせたもので、小さな仏具セットと一緒に寝室の棚に飾ってありました。お線香をあげたり読経をしたりすることもなく、粗末にならない程度にお水や花を置いて掃除していた程度でした。

今回、愛犬の遺骨を置き場を考えているときに、棚の上で猫も乗らない(はず)なのでここにしようと決めました。 実家のお仏壇には、おなじみ仏さまの写真とお不動さまたちと共に、実家の歴代猫たちの写真が入っていたので、大丈夫なのかなと思いまして。

とりあえず、最初は棚を片付け、み仏さまも綺麗に拭き、犬の写真と骨壷とエサやお菓子などを置いていました。
そこに仏具もおいてお線香をあげていましたが、「いかにも骨壷」なものを見ると、私が泣くのです。かなしいきもちを直接的に思い出して、骨壷と写真を見て泣いてしまうのです。

あと何年かはずっとここにあるので、ホコリとか被ってしまうのもイヤだなと思いましたし、世間の皆様はどうしているのかと検索をしてみるところから、最近のミニ仏壇というかオシャレ仏具や、いろいろな便利仏具を知ることとなりました。

手元供養、というもの

故人を手元で偲び供養の気持ちを持つことを、手元供養や自宅供養とあらわすそうです。
最近は、おおきな仏壇やお墓をもちたがらない人も少なくないようで、人に対しても動物に対しても、小さな取り回しの良い仏具が売れているようです。

ペットの場合は、分骨した一部を小さな骨壷に入れたり、写真や思い出の品をかざるのが多いようでした。
お仏壇も仏具もとても小さく、そしてとてもおしゃれ。クリスタルガラス製とか、華やかな有田焼のきれいな柄のあるものもありました。

私が購入したものは、骨壷がまるごとはいるお仏壇でした。そのなかでも、とてもシンプルなものです。
はい、仏壇というよりも、写真いれ付きの収納ケースですよねこれ。
でも4寸サイズの骨壷が骨壷袋から出さずに丸ごとはいり、ほこりもかぶらなさそう。木製なので多少の湿気も大丈夫そう、色も紫檀色で、ダークブラウンで統一している寝室の家具とも合うのが決め手でした。

縦30センチの大きさは、全面パネルの写真入れにL寸印刷した写真が縦と横にはいる感じです。 思っていたよりも存在感があり驚きましたが、写真を入れると少し大きめの写真フレームですといった感じで骨壷感も消えるし、棚と一体感もあり気に入っています。
箱上部には首輪とお念珠を置きました。ほこりがかかりそうなので、なにかカバーがあればかけておきたいですね。

仏壇が原因の火災とか笑えない

寝室でお線香をあげたりロウソクを灯したいと家族に相談したところ、いくつかの条件がありました。
気の済むまで好きなようにしてもいいけれど、火の元があるのはあぶないから、できれば使って欲しくないと言われ、電気式のロウロクや線香を提案されました。

たしかに仏壇の火の元が原因になる火事は少なくないと聞くし、私もそんなことはしたくありません。
提案された電気式のものも便利で安全なグッズだと思ったのですが、私の気の済むようにしても良いのなら、今はまだお線香をあげて、ロウソクを灯してあげたいです。
じゃあ火の元に気をつけるように改善しようと、いくつか買い物をしましたので、レビューしておきたいと思います。

お線香は短くして寝かせる

私の宗派では、お線香は立てるものだと思っていましたので、寝かせる宗派があるのも知りませんでした。お墓も束で差していた気がします。
検索していると、香炉の中で寝かせるのではなく、香炉そのものが寝かせる用に細長いものがいくつかありました。
線香を折るといったことも知らなかったのですが、動物の高さにあわせて人とは区別して線香は折ると説明しているひともいました。

お線香を二つ折りにして、寝かせられる香炉を買いました。 短い丈の線香を買えば折らなくてもよいのですが、うちにはそんな丈のがありませんので折ります。
お線香自体は家にあるお仏壇から分けてもらいました。共用しないのなら消耗品ぐらいは貰ってもいいよね。

この香炉に入るように二つ折りにして、7センチくらいで10分ほどの燃焼時間です。 そのくらいの時間なら、朝と夜にお線香をあげても、消えるまで室内に居られます。

本来は蓋を閉めるものなんだと思いますが、蓋をしめると蓋にススがついて掃除が大変なので、私は火がついている間は空けています。
蓋が開いている間は火がついている、と意識付けもできると思います。エアコンの風が直接あたるところでもないし、お線香が転がることもないはずです。
底のマットの耐久性が気になりましたが、他商品でステンレスネットを使用したものがあったので、今度それを真似て自作してみたいと思います。

ロウソクは短く、外に火を出さない

もうひとつの火の元、ロウソクです。
もともとロウソクは、普通サイズの長いものと、箱に12分と書かれた短いものとが家にありました。
短いほうをつかうからと提案しましたが、「10分でも1分でも同じ火の元」と言われ、少しでも安全なものはと考えたのが、耐熱ガラスの中に入れる、なおかつ熱源が床からある程度はなれている、このロウソクです。

灯篭代わりにもなるかなと思いました。
今は、灯が消えるまで特に目を話さない約束で、もとからある普通のロウソク差しのロウソクと、この燭台にもロウロクが灯る豪華仕様ですが、そのうちこのガラスカップのなかにいれる小さなT字のロウソク差しを購入したら、普通のロウソク差しは片付けようかと思っています。

もしものための、耐燃マット

いま商品をちゃんと見たら、耐燃ではなく難燃って書いてますね。すみません。
火の元の下に敷くマットです。ロウソクが倒れるような大きな事故にはさすがに対応しきれませんが、ちょっとした火の粉やなんかが飛んでも大丈夫です。
でもこれは小さすぎましたね。
当初は仏具のしたに敷くだけの大きさがあれば良いと思って選んだのと、ホコリが気になるので、棚上にランチョンマットを敷きその上に乗せていたのですが、よく考えたらこれは難燃マット以外のところが危ないんじゃないかとも思うので、ランチョンマットは外し、難燃マットをおおきなほうのサイズに買いなおそうかと思います。

お仏壇スペースとともに、弔う気持ちも整理できました

少しずつお仏壇スペースも納得の行くものとなり、いつの間にか私の気持ちもずいぶんと落ち着いてきました。
最初にお仏壇が届いた日には、受け取るだけでも泣けてきてしまい、配達のお兄ちゃんを驚かせてしまいました。
骨壷や仏壇などといった直感的なものを考えているうちに、頭ではなく感情として受け入れられてきているのだと思います。

今はまだ、お仏壇に手を合わせては泣いてしまったり、思い出してはどうしようもなくさみしくなったりしてしまいますが、こういった悲しみは、手を合わせるたびに時間が経つほどに、きちんと消化できるものなんだと思います。

お葬式もそうでしたが、お仏壇もまた、残った家族の気持ちのためにあるものだと知りました。

仏さまと畜生を一緒にするなんてとんでもないとする信心もあるでしょうし、いつまでも飼い主が引き止めていては成仏できなくてかわいそうだと言っているかたもおられました。

私には何がいいのかよくないのかわかりませんが、たとえば動物禁制のお寺本堂に遺骨を持ち込むようなことをしているわけではなく、護摩火の中に遺品を放り込んでいるわけでもなく、あくまでも自宅で弔いの気持ちで供養したいとする行為そのものには、正解も間違いもないんじゃないかと思っています。